FEATURE

INTERVIEW with ANI
at POL

Artist/Rapper

アーティスト/ラッパー ANI
「ただ意味の無いことをしたい。ピュア」



Happeningsとは旧知の仲。ツジコノリコさんには竹村延和との共作、ユニットTNTNでのコラボレーション作品(まだまだ発売中)、そしてコンサートでお世話になりっぱなしです。現在、夏のバカンスで帰国中の彼女に近況をうかがってみましょう。考えてみれば拠点をフランスに移し早20年、近年は音楽活動のみならず、映画監督としても活動するノリコさん。のんびりしているようでいつだって精力的。最近のニュースは?


Noriko is an old friend of Happenings. We are indebted to Ms. Tujiko Noriko for her collaboration with Nobukazu Takemura, her collaborative works with the unit TNTN (still on sale), and her concerts. She is currently back in Japan for a summer vacation, so let us ask her about her recent activities. It has been 20 years since she moved her base to France, and in recent years she has been active not only as a musician but also as a film director. She seems to be taking it easy, but she is always energetic. What's the latest news?



ーー鉄仮面、といえば『スケバン刑事』(1985年から放送された学園ドラマ)? または仮面のラッパーMF DOOMとか?

ああ、いるね。

ーー『スケバン刑事』の方?

そう。ちょっと前にサブスクで『スケバン刑事』を観直してたんだけど、やっぱり面白くて。小さい頃から鉄仮面を被らされてる回想シーンがスゴ過ぎて。

ーー『スケバン刑事』って独特の不穏なムードがありますよね。

そうだね。

ーー本放送を観られていたのは高校生くらいです?

高校生の頃。最初のシリーズの斉藤由貴の時が一番面白くて。特命刑事として高校に潜入してワルを懲らしめる話。でも途中からは日本を牛耳る悪に対して、とかどんどんデカい話になっていくんだけど。

ーーでも、なぜ鉄仮面? コロナのマスク以降の発想とか?

いや、鉄仮面って面白いな、ってくらいのアイデアで。

ーーコラージュで作り始めたきっかけは結婚を機に断捨離をしないと、というところからですよね。発表を前提としない、趣味のような?

そう。最初は。

ーーいつ作られていたんですか?

平日。平日の昼間。

ーー例えば、歌詞が書けない時などに?

そう。時間があるから、ですよ。そこは。素材も山ほどあるからね。ポストに入ってる選挙のチラシとかも。あとはグラビア。最初は週刊誌とかのグラビアでやってたんだけど、紙が薄くてあんまりよくない。水糊を使ってるから、まっすぐに貼れなかったり。

ーーなるほど。

だからブックオフで写真集を買ってきて。安いのを。それを探すのもまた楽しくて。ちなみに写真は(女性が)全身写ってるのがいい。

ーーなぜです?

うーん、なんでだろ。

 
ーー今回の個展、作品のベースはAIで生成された女性の画像となっていますね。

もうエロ本自体もあんまり無いからね。

ーーそれでAIに?

そう。

ーー当初は鉄仮面のシールも手作り(その作品のブックも本展で閲覧できる)でしたが、今回の作品はデザインされて印刷されたもの(期間中、シールのみの販売も)。それに、コラージュならではの再構成ではなくアイコラ的というか、手で切り貼りするデコボコ感も無くなっています。

そこ(手作り感)を見せたいわけじゃなくて。最初は、自分で手で描いた絵(女性)の顔に、自分で作った鉄仮面のシールを貼ってたけど、絵に自分の線が出てしまうのは、どうなんだろ?って。それでAIで(理想の女性と背景は)作れるかな、というのがあって。

ーー鉄仮面のシールを自分で手作りする、と。何がそこまで?

時間があったから? やっぱり鉄仮面、面白いな、ってくらいで。

ーーAIで生成された女性たちは全部ヘソ出しのスタイルですね。

K-POPの影響(笑)。ヘソ出し、流行ってるし。今っぽい感じを出したいなと。

ーーANIさん的にどんなプロンプトでAI画像を生成されましたか?

セイラー、バギーパンツ、ハイヒール、手にラジカセ。場所は工業地帯、かな。

ーー工業地帯は川崎のご出身ということも関係してます?

なんだろ。ただ好きなんだと思う。

ーーできるなら、AIではなく、実際にモデルの方を工業地帯で撮影したい?

そういうわけでもないかな。(AIを使っているのは)2、3年前にAIで作れるってことを知って。でも周りではぜんぜん使ってなかったので、自分でやり方を調べてみて。最初は(プロンプトは)英語だったんだけど、今は簡単に。

ーー作品の中に“ANI”と書かれたロゴはスタンプで?

一枚一枚、シルク(スクリーン)で刷ってる。知り合いに、なにか手を使ってる部分を入れたほうがいいよ、ってアドバイスされたこともあって。

ーーステイトメントには、“でもやるんだよ”(©根本敬)、“そこがいいんじゃない”(©みうらじゅん)に影響を受けた精神が反映、とあります。ではANIさんのアーティストとしての信条を言葉にするなら?

なんだろ。ただ意味の無いことをしたい、ってのはありますね。何か意味があるのか?って聞かれたら特に無いし。そういうことになる。意味の無いことをしたい。

ーー考えず、思うままの結果で、ある種ピュアな創作?

そう。ピュアに、ですよ。ただ好きでやってるだけ。


ーー最終的な野望としては実際の人間用に鉄仮面を作ったり?

作りたいね。

ーー例えば、スチャダラパーのライブに鉄仮面を付けて出てくる。そうなると、もういよいよ、かも知れませんが。

やってみたいけど、鉄仮面が割れて出てくるのが俺だもんな。わっ、かわいい!とはならないし。(『スケバン刑事』では)割れても出てくるのが南野陽子だから。

ーー今後の展望は? もっと個展をしていきたい気持ちはあります?

展示はしたいですよ。もし企画したい、って人がいたら行きますよ。

ーーそういえば、最近のスタンプ活動はいかがです? 駅やスーパーなどのスタンプラリー活動。

もう本気ではやってない。



本気の時は地図見て、1日券買って、今日は小田原くらいまで行かないと!みたいな時もあったり。

ーーまるでスタンプラリーは四国のお遍路のような?

いや、あれはご利益あるけど、むしろご利益ないからやってる。達成したからと言って、なんにもない。そこがいい。

ーー意味がない?

そう。なんにも意味ない。それがいいとこ。



2026年5月17日、大阪・松屋町のPOLにて。





ANI solo exhibition 2026ANI展〜浪花篇〜
presented by Pulp
2026年5月16日(土)〜5月31日(日)
月火金 13:00-18:00 ※水・木曜休廊
土日 12:00-19:00
at POL (大阪市中央区谷町6-18-29 2F)

https://pol2020.jp/2026ani/